ぼくたちのリメイク10巻エンドロール(ラノベレビュー・感想)
働いていた弱小ゲーム会社が倒産し、夢も職も失った主人公が10年前にタイムリープして、本来通うはずのなかった芸大に入り直し、自分のどん底だった未来を回避しようと努力する、クリエイターを題材にしたラブコメ 、ぼくリメ10巻
前巻ではプラチナ世代の3人の覚醒の兆しが大分伺え、一番不安定だったアキシノも主人公が実家に挨拶に行ったことで無事覚醒することとなり、今巻はそんな未来の有名クリエイターとして完全覚醒した3人の実力を目の当たりにした主人公が自分の力との差に気付き葛藤するといった内容
元々主人公が未覚醒といえどもプラチナ世代の3人をこれまで引っ張ってこれたのは、経験という名の知識チートがあったからで、芸大卒業を間近に控え、学生ではなくタイムリープ前の身分と同じ社会人になるのが近づくに連れて知識チートがない主人公の実力が徐々に浮き彫りになり、天才との才能と力の違いに絶望していく様子は読み進めていくに連れて心をざわつかせる展開だった
内容が主人公の不安と葛藤がメインになるためか、終始暗い雰囲気と真面目な展開が続き、前巻で大分リードしたシノアキと最近空気気味なナナコとの三角関係の行方についても進展どころかラブコメ展開も全然なく、特にナナコについては完全空気で絡みもほとんどなかった
舞台が卒業前であり、口絵にも卒業式の様子が描かれているうえ、サブタイトルがエンドロールということから、今巻がラストなのかと思って読み進めていくと、消化不良なところで終わってしまい、あとがきによれば次巻から最終章に入るとの展開にはなんだか不安が残ってしまった
社会人になっての話は、βと4巻で既にやっているので、本編は芸大卒業と共に三角関係に決着をつけて物語が終わった方が良かった気がするのだが、前巻から大分間が空いたうえページ数も250ちょっとボリューム不足だった点も踏まえてこのまま間延びしていって蛇足にならないかが非常に心配である
次から始まる最終章で今巻の消化不良を全て解消し、物語が綺麗にまとまるのを期待したい作品