異世界行けない委員会 | 読書は通勤電車の中で

幼い頃から異世界転生を夢見る主人公が、自らが異世界に行くためにあえて異世界転生を阻止する組織に属して他人が異世界に行くのを邪魔するというちょっと変わった異世界転生コメディ

伝説ラノベアニメ、「犬とハサミは使いよう」の作者、更伊俊介先生の作品

タイトルに委員会と書いてあり、表紙の絵柄も制服なので学園ものかと思いきや「委員会」という名の組織なだけで学園要素は全く出てこない

物語の世界は現代世界だが、異世界転生者が年々増加したことで、異世界の住人がしょうもない理由で地球人を異世界に召喚するのに困った政府が異世界召喚を阻止する対策委員会を作り、主人公はそこのチームのリーダー

子供のころからいつ異世界転生をしてもいいように自らを鍛えていたため、能力はハイスペックだが一度も異世界召喚されたことがなく、日々他人の異世界召喚を邪魔する日々をチームメイトのおかしな連中とバカ騒ぎしながら任務をこなしていく流れ

主人公は他人が異世界召喚されるのを邪魔しつつも自分が異世界に行くことを虎視眈々と狙っているのだが、その説明だけで、実際に試みているシーンや失敗したシーンが全然ないので、その異世界に行きたい熱意が読んでいてあまり伝わらなかった

主人公の仲間は、異世界転生しすぎてやる気のなくなったオタク、兄が異世界転生して帰ってこないことで異世界を恨んでいるヒロイン、異世界から現代に捨てられたスライムの２人と１匹だが、個性が弱いのでギャグも中途半端であまり面白くない

なかなかに題材で設定は面白かったのだが、その設定をイマイチ活かしきれていないのと、どのキャラも個性がそこまで強くなく、どうにも中途半端な感じなってしまっているのが残念だった

続編を期待したところだが、未だ２巻が発売されていないとなると、１巻完結だと思われる

ちょっと珍しいタイプのラノベが好きな人なら読んでも悪くない作品

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異世界行けない委員会レビュー