ラノベのプロ!(ラノベレビュー・感想)
アニメ化は成功したものの大ヒットと呼ばれる程売れている訳ではないが、ラノベ作家としてのプロ意識の高いコミュ障ぼっち大学生主人公が、世知辛いラノベ業界を舞台に、ラノベに全く興味のない幼馴染ヒロインと結ばれるラブコメ
主人公は高校生の時にラノベの新人賞で大賞を取るも全然売れずに打ち切りにあい、その後は市場を計算する等することにより、大ヒットはないもののボチボチ売れ、爆死したとはいえアニメ化も経験のあるラノベ作家で、締め切りはきっちりと守り、生活サイクルを執筆活動を軸にするほどプロ意識が高いが、その反面売れてるラノベ作家にはストレートに嫉妬し、発売してしばらくは新発売のラノベは買わないようにする等、器のちっちゃい性格がどうにも憎めない
ヒロインは主人公と同じ田舎出身の幼馴染で、元ギャルで現在は落ち着いた大学生であり、税金対策のため主人公のアシスタントとして雇われているものの、ラノベに興味がなく、仕事は専ら部屋の掃除や食事作り等、通い妻のような関係
ラノベ作家の収入や税金等、ラノベ業界の世知辛い内情にギャグを挟みながらも深く描かれており、ラノベ作家という過酷な世界をリアルに読める作品で、最近のラノベ作家が主人公のラノベに見られる作家に、声優やイラストレーター等の美女が群がるハーレムモノでは決してなく、どちらかというと純愛よりのラブコメな展開
1巻ではラノベ作家の収入や仕事風景に視点が当てられ、アニメ化されたラノベ作家がどのような生活を送るのかが描かれ、2巻では後輩のデビュー作が主人公と同じように売れなかったことによる「打ち切り」をテーマに、プロとして売れる作品を描くために自分が描きたくもない作品を作る葛藤が描かれている
2巻のテーマは「打ち切り」で、このシリーズが打ち切りになったのかどうか不明ではあるが、シリーズ自体も2巻で発売は終わり、3巻が発売されることはなかったが、2巻ラストで物語としてはしっかりと終わっているので元々2巻完結の作品だったのかもしれない
ラブコメ作品ではありながら、ラブコメ要素は少なめで、主人公の熱いラノベ作家魂が軸となっており、全2巻と非常に読みやすいうえ、1巻、2巻で上下巻といった内容で終わっているので後味もよく、ラノベ好きな人なら気軽に楽しめる作品