今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。3巻 3年分の「ありがとう」だよ、先輩(ラノベ感想・レビュー)
自分の二番目に大切なものを代償に一番大切な願いを叶えることができるという伝説のある街で、過去に願いを叶えてしまった主人公が、自分以外に願いを叶えさせないようにするため、「星の涙」にすがる美少女達を見つけては、ラブコメをしめながらその悩みを解消し「星の涙」という願いを叶えるのに必須な石を回収していく学園ラブコメ、まだ妹の3巻
この作品を知らない人が冒頭の説明文を読んで、「妹もののラブコメ作品じゃないの?」と思うかもしれないが、実際そのとおりで、タイトルと内容があっていない作品、というのも1巻はたしかにヒロインが幼馴染の妹だったのでこのタイトルでも違和感はなかったのだが、この作品のメインは妹キャラとのイチャラブではなく、主人公が悩めるヒロイン達に、「星の涙」使わせないように奮闘し、悩みを解決する話になっている
2巻のラストで、謎キャラ伊織が入院している事実が判明したところで終わったことで、3巻のメインは伊織だが、物語自体は主人公と「星の涙」をめぐる物語は急展開し1巻、2巻で散りばめられていた謎が徐々に明らかになっていく
3巻になり、更にシリアス要素が増えラブコメ要素は申し訳程度にしかないが、2巻同様ストーリーが面白く、「ラブコメなんかいいから真実を早く教えてくれ!」というラブコメにはあるまじき気分になってしまった
ラストは読んでいるうちにある程度予想がついていたもののあまりにも切なく、読んでいて苦しくなってしまうがその答えを出すまでの主人公の葛藤や過程が非常に面白かった
3巻のラストも2巻同様、気になる引きで終わり、おそらく4巻で最後の「星の涙」の持ち主が判明し、物語も終結へ向かうと思われるので、4巻の表紙を含め最後の一人が誰なのかとても気になる
ラノベはタイトルだけで読むかを選別する人が多い媒体なので、いかにも妹ラブコメなこのタイトルのせいで、重厚なミステリー作品と言ってもいいこの作品は損をしている
1巻はたしかにラブコメ要素はそこそこあるものの、巻が進むにつれて申し訳程度に減ってくるが、そんなのは全く気にならない程ストーリーが面白いので、ラブコメ好きよりミステリー好きな人におすすめな作品

ラノベを無料で試し読みするなら広告をクリック!