推しが俺を好きかもしれない2巻(ラノベレビュー・感想)
人気ボーカルユニットの大ファンで、そのボーカリストを推してやまない根暗ボッチのやっかいオタクの主人公と、そんな主人公の推しで同じクラスの人気者だが、分厚い仮面を被り周囲やファンを騙しまくっている腹黒ヒロインが自分の正体を知った主人公に惚れてしまう学園ラブコメの2巻
1巻で綺麗に終わっていたので2巻が出るとは思っていなかったところでまさかの続編、この手の引き延ばし作品は往々にしてつまんないことが多いのだが、結論から言うとかなり面白かった
1巻ではファンである主人公に非売品やサイン等を餌に傍若無人に振る舞う様が面白かったが、後半には主人公に惚れてしまったため、ぶっ飛んだ行動が鳴りを潜めていたので、2巻ではライバル登場もあってあんまりキチガイムーブは見れないかと思いきやそんなことなく、乙女ムーブとキチガイムーブがいい感じにバランスがとれていた
今巻では、1巻でほんのちょっとしか登場していないモブキャラであった、主人公と同じ文芸部員の幽霊部である檜原由女から告白されるといういきなりの展開で物語が始まっていき、文芸部員、地味子ということで大人しいオドオドキャラかと思いきや、ヒロインとバチバチとやりあう様が非常に面白く、特にラストでのヒロインとの言い合いは特によかった
主人公は当初から推しを恋愛対象に見るのはファン失格というやっかいヲタクの矜持を持っていたが、1巻の後半から見られた、推しのボーカリストU-Kaではなく、同級生の女の子に惹かれていく様子が上手く描かれていて、好きだけど推しだから好きになれないという葛藤が1巻から引き続いて楽しめて読めた
1巻同様、この2巻もラストが綺麗に話が閉められており、このままシリーズが終わっても文句のない幕引きだった、1巻が綺麗に終わって続巻である2巻も面白く綺麗に終わっているので、ついつい3巻にも期待をしてしまう
冴えないオタクが何故か美少女から一方的に好意を寄せられるという主人公にヘイトが向きやすい設定だがヒロインがぶっ飛んでいるだけに主人公に嫉妬を覚えずに読めるので、理由もなく主人公がモテる系ラブコメが好きでない人にもおすすめな作品