麗子の風儀 悪役令嬢と呼ばれていますが、ただの貧乏娘です(ラノベ感想・レビュー)
没落貴族として極貧生活をしていた主人公が学費・学校費用全額免除の特待生として金持ちお嬢様高校に入学し、入学式当日に悪役令嬢というレッテルをはられるも、持ち前のプラス思考と能力の高さで徐々に周囲と打ち解けていくサクセスストーリー
主人公は望まれずに生まれた子供で、母親は出産と同時に亡くなり、父親は生まれてすぐの主人公を仲の悪い祖母に預けたまま行方知らずとなり、長い間、祖母と祖母の昔からの使用人であるフキさんとの3人暮らし
プライドが異常に高い元貴族の祖母に疎まれながらも、厳しい教育を受けた影響で、その見た目と立ち振る舞いは令嬢そのものだが、その思考は貧乏を極めているうえ、家に何も娯楽がなかったことから、外部の知識が町の図書館で得た知識のため、昭和から平成初期の娯楽知識に偏り、人生のバイブルは「はだしのゲン」と「カムイ伝」で、この作品の主人公や時代設定に比べれば自分ははるかに幸せと思って生きている
ヒロインの枷となっていた祖母が死んだところから物語が始まり、天涯孤独となり一人貧乏生活をしながら金持ち学園に通い始めるところから物語が進んでいく
入学式の当日に、この世界が乙女ゲームの世界と思っている厨二病の女性からいきなり「悪役令嬢」と呼ばれ、ヒロインの立ち振る舞いも相まって学園で孤立してしまうも、これまた王道とも言える孤高に見えて実はさみしがりやな金持ちお嬢様と仲良くなることで
金持ち学園によくある陰湿なイジメ展開等はなく、貧乏ながらもナチュラルに気高く生きていく主人公の姿に周囲の人達を魅了させていき、乙女ゲームの悪役令嬢どころか主人公の立ち位置になる
物語の中盤から後半にかけては、主人公の出生の秘密や家族の秘密がどんどん明らかになり、特に自分の育ての親として慕っていた祖母の使用人のフキさんが冷たくなった秘密と真実には驚かせられる
物語の開始からかなりハードな人生を送っている主人公だったが、物語が進むにつれて、あれだけプラス思考の主人公ですら落ち込んでしまうほどのハードな真実が待っているが、それでも前向きに生きる主人公の姿は読んでいて非常に楽しい
前向きで貧乏ながら高貴な主人公が非常に魅力的なうえ、全2巻ながら物語も山あり谷ありで長さもちょうどよくまとまっていて、恋愛要素はそれほどないが、物語も綺麗に終結する
乙女ゲーや少女漫画のような展開が好きな人だけではなく、誰でも楽しめるおすすめな作品

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