りゅうおうのおしごと!15 巻(ラノベ感想・レビュー)
言わずと知れた将棋の世界を舞台とした大人気ラノベ、りゅうおうのおしごとの15巻
14巻のラストが表舞台から姿を消した銀子を尻目に主人公奪取を企む供御飯万智の不気味な笑みで締めくくられ、今巻では主人公と共に表紙を飾り、万智回な内容になると思いきや、蓋を開けてみれば、たまよんこと鹿路庭珠代回だったのには驚いた
主人公は初めての本を執筆するということで万智と共に旅館でカンヅメとなり、二人でイチャイチャしながら執筆活動に専念するため、主人公自身の対局はなく、対局シーンは、上京し一人将棋会館で戦うあいの対局がメインとなる
主人公のもとを離れ一人上京したあいは、珠代と同居することとなり、珠代の生き様をとおして本当の意味での辛く厳しい女流棋士独特の現実を知ることとなる
桂香さんを除くと、この作品で視点が描かれる女流棋士のほとんどはタイトル保持者や、あいや天衣のような天才的な才能や力を持った強キャラばかりだったが、今巻は作中でもファン人気はあるが弱キャラとして扱われていた珠代がメインとなり、周囲の才能に押しつぶされそうになりながらも女流棋士としての生き様をあいに見せ背中で手本を見せようとする姿に心が打たれる
7巻の清滝師匠の回のように、普段はサブキャラでおちゃらけているようなキャラが実は誰よりも熱くもがいている展開は個人的に好みで、主人公をちょっと誘惑し、あいや天衣に瞬殺されたちょい役だった珠代の女流棋士として生きる覚悟や生き様が熱く描かれている内容はとても楽しませてもらった
今までは主人公にべったりだったあいが主人公と離れ、今巻では今まで好意を寄せながらも一歩引いていた万智が主人公にべったりという正反対の立場となった二人が女流名跡リーグの挑戦権をかけて激突するのは熱く面白い
ここ最近真面目で重い空気の中物語が進展してたので、久々に主人公がみせる万智との掛け合いやイチャイチャは久々にゆるい感じで面白く、その反面、上京し珠代の姿を見て成長しながら戦うあいの姿も熱く面白いという非常にバランスのとれた面白い巻だった
次巻では確実にあいの挑決があるので、そのままタイトル初挑戦となるのか、銀子は復活するのか、歩夢は名人となるのか、等々まだまだ楽しみな展開が盛りだくさんなこの作品、今後の展開も非常に楽しみである

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