弱キャラ友崎くん 10巻(ラノベレビュー・感想)
陰キャボッチゲーマー主人公がリア充ゲーマー美少女のヒロインから指南を受けて、ゲーム世界ではなく、現実世界でリア充を目指していく、リア充育成学園ラブコメ、友崎くんの10巻
9巻でリア充アドバイザーであった日南と決別し、仮面をつけて生きている彼女の仮面を外して
前巻から1年という長い間があり、ようやく発売され、大台に乗った10巻、内容は前巻で主人公と仲違いした日南の誕生日を祝うためUSJに泊りがけでいき、いつものメンバーが日南を喜ばせるためにあらゆる方法でお祝いする中、主人公が日南を演技ではなく本心から喜ばせようと寡作するといった展開
元々はリア充を見下し妬んでいた生粋のゲームオタクの主人公が、ゲーム世界と同じく現実世界でも強キャラになるために、リア充に向けて努力し成長していくといった作品だったが、作中で主人公が成長しきってしまい、自らを「強キャラ」と表現するまでになっており、当初と作品の内容は大分変ってきている
陰キャプロデュースものにありがちな、リア充なら普通にできるが陰キャだと難しい程度の課題等、実際に現実味のある内容に取り組み成長していくのが面白かったのだが、最近は巻を増すごとに強引な展開というか、現実的でない箇所等が増えてきている気がする
特に読んでいて気になったのは、誕生日プレゼントにゲームを選択した主人公が、一人のプログラマーにゲーム作成を1ヵ月という短期間で依頼したうえ、短期間で作る方法として出た案が「身内だけで楽しむなら版権モノのゲームデータを引っこ抜いて使ってもいい」とか言ったり、主人公に商品として売ってる以上普通に犯罪行為であり、出来上がったゲームは主人公と日南が好きなゲームのキャラをそのまま使ったシューティングゲームというとんでもないプレゼントだった
そんな首をかしげるような展開の中で、伏線がはられていた日南の妹についての事実が判明することになり、彼女がそれをどう乗り越えていくのか気になるところで今巻は終わっている
作品的には菊池さんへの告白が成功し付き合い始めた時点で物語が終わり、今は第2章というかその続編といった感じで読めばさほど気にならないことに気付いた
リア充プロデュースラノベから、リア充プロデューサーを救うという珍しいジャンルになりつつある珍しい作品