父さんな、デスゲーム運営で食っているんだ(ラノベレビュー・感想)
デスゲームが一般娯楽として認知された世界で、大手デスゲーム運営会社のエリートサラリーマンとして働く主人公が愛する家族とマイホームを守るため、無茶ぶり上司と無能部下との板挟みになりながらも、はったりと機転で何とか問題を解決していくちょっと変わったお仕事系ラノベ
デスゲームが一般娯楽として認められている世界だが、デスゲームが一般娯楽になっているとはいえ、デスゲーム自体は普通に殺し合いがあり、主人公はそのデスゲームの企画や運営をしている会社でも有能なサラリーマンだが、家族には自分の仕事がデスゲーム運営であることは黙っている
デスゲームが舞台だが超能力や異能力者が出てくる訳ではなく、あくまで普通の人間が賞金目当てやスリルや殺人を求めて参加するデスゲームで利益を得るために、産業スパイやデスゲーム荒らしに対応したり、娘に仲のいい男の子がいると聞き、仕事の越権行為を行使して男の子に絡んだりと、デスゲーム運営という設定がなければ、愛する家族を守るために戦うサラリーマンのお仕事系ラノベといえる
中学生という設定の娘だが、素直になれないパパ大好きっこの小学生のような感じで、年下奥さんも中学生の娘がいるとは思えない乙女な良妻賢母に囲まれ私生活は幸せ満載だが、家族に隠している仕事では給料はいいものの、左遷やクビに怯えながらもはったりと機転、強運で乗り越えていくといった流れ
主人公が運営するデスゲームは実際に死人が出たりしているが、誰もそのことに苦悩したりすることはなく、大衆もデスゲームを受け入れており、主人公が普通にサラリーマンをしているため、世界観自体には凄い違和感が常に付きまとう不思議な作品
作者は、わたなれ、ありおとといった百合作品に定評のある、みかみてれん先生のちょっと前の作品で、百合要素は一切ないので、百合を期待していると肩すかしを食らうことになる
元々は漫画だったものをノベル化したものであり、打ち切りなのか元々1巻完結なのかはわからないが2巻は発売されていない
物語としてはいくらでも続きそうな感じはあるが、話自体は綺麗に閉められているので、ちょっと前のみかみてれん作品を読んでみたい人にはおすすめな作品