わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?) 4巻(ラノベレビュー・感想)

高校デビューしてカーストトップグループに入るのに成功した元引きこもり陰キャボッチの主人公が、真のカーストトップの美少女達から惚れられながらも、持ち前のネガティブ思考と友達でいたいという思いで板挟みとなる、管理人イチオシの百合ラブコメ、わたなれの4巻

紫陽花さんの告白に主人公がOKするという衝撃の展開で終わりを告げた前巻からの続きということで、3巻同様に二人のイチャイチャが読めると思いきや、主人公のヘタレが発動し勢いでOKした回答を一旦保留するも、真唯の目の前で告白をOKしてしまったことに自己嫌悪し、自分を大嫌いな主人公が何故、スパダリと天使の二人から好意を向けられるのかで苦悩し、キャパオーバーになって奇行に走るといった展開

今までは終始ギャグ要素多めだった作品だったが、主人公のいつもの明るい笑える自虐ではなく、本気でネガティブな自虐から始まり、いつも以上に無理して明るく振る舞う主人公が痛々しく暗い雰囲気がつきまとい、今までのわたなれとはガラっと雰囲気が変わっていた

そんないつものと違う展開の中、メインヒロインは謎だらけだった香穂で、3巻で匂わせれていた香穂のコスプレ趣味が明らかになり、主人公もコスプレするハメになるのだが、完全陽キャと思っていた香穂が実は主人公と同類ということが判明し、マジ喧嘩しながらも仲良くなっていく過程で、真唯と紫陽花さんへの気持ちを再確認していくといった流れで、後半は主人公の二人への返事がメインとなる

3巻のラストからは想像できないほど真面目で、終始重めの雰囲気ながらも所々にいつもの笑えるわたなれ要素があり、真唯が大人しかったせいもあって主人公のツッコミシーンが少なかったが、そのせいか紗月と主人公の掛け合いが面白く、厳しい主人公への対応に対して、ダダ甘な紫陽花さんへの対応が微笑ましい

そんな紗月の紫陽花さんからの告白を受けた主人公を見て凹んだ真唯を、心の中では厳しくツッコミを入れながらも優しく慰めるシーンは読んでいて紫陽花さんから紗月へ推し変しかけてしまいそうだった

物語の中で今までほとんど描かれていない各巻の真唯の心情が描かれていて、幼馴染の紗月だけ見せている、決して主人公に見せようとしない、物語の根幹ともいえる真唯の弱さが描かれていて、いつもと違い非常に真面目な内容なうえ、ラストのタイトルが題名だったこともあり、「あれ?これって最終巻?」と思ってしまったが、あとがきで作者も大きく協調していたがまだまだシリーズは続くということで一安心

ラストは主人公が悩みに悩んで出した答えを二人に伝えてハッピーエンドとなるが、この答えについては賛否両論あるだろうが管理人的には非常に主人公らしい答えだったと思えたし、その答えを出した主人公に対する紗月の感想が的確で面白かった

物語としてはこの4巻で1章が完結となり、次からは2章に突入するとのことで、ヒロインが1周した次巻のメインは巻が進むにつれてその存在感とキャラの面白さが増し、今回一番最後に爆弾を落とした紗月がメインになりそう

個人的には最近の百合ラノベでは一番面白いこのシリーズ、今回はいつもとちょっと違った雰囲気だったが相変わらず面白く、新章となる次巻もとても楽しみな作品

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